符号付き順位和検定の検定統計量(近似版)

x_1,\ldots,x_nという値に対して,順位をソートしたものをr_1,\ldots,r_nとする。


【小休止】符号付き順位和検定ならば,まず,データの絶対値をとって,
昇順(小さい順)にならべます。それがr_1,\ldots,r_n
1,2,3,5,-8,-4,-7,-6というデータならば,

  r_1 r_2 r_3 r_4 r_5 r_6 r_7 r_8
1 2 3 4 5 6 7 8
符号 + + + - + - - -

という感じ。


ここで,正ならば1,負ならば0となる確率変数\delta_iをもってくる。
この確率変数は正負が等しく生じるという仮定のもとで,
期待値E(\delta_i)=1/2,分散V(\delta_i)=1/4となる。また,それぞれは独立である。
そうすると,正の符号を持つ値の順位和は\sum^n_{i=1} r_i\delta_iと書ける。
r_iは確率変数ではないので,定数として考えると,
順位和の期待値はE(\sum^n_{i=1} r_i\delta_i)=\sum^n_{i=1} E(\delta_i)=n(n+1)/4
順位和の分散はV(\sum^n_{i=1} r_i\delta_i)=\sum^n_{i=1} r_i^2 V(\delta_i)=n(n+1)(2n+1)/24となる。
V(a_1x_1+a_2x_2)=a_1^2V(x_1)+a_2^2V(x_2)と同様)
よって,これらをもとに統計量を作れば検定が可能となる。


なお,単純無作為割付ならば,こう。置換ブロック法だと,こうはいかない。